横浜港に入港する船舶のコロナ対策について、令和2年第3回市会定例会 決算第一特別委員会 港湾局審査質疑。
新型コロナウイルス感染症は、現在でも世界中で拡大しており、感染者数の状況をみると、我が国では8万人(9月28日現在)を超え、世界では、アメリカ、インド、ブラジルなどを中心に3,200万人を超えて拡大が続いている状況です。各国で検疫体制を強化する中であっても、年間約9,500隻、1日当たり約26隻もの外航船が入港する横浜港では、感染が疑われる船員が乗船している船舶が入港する事態も想定されます。
横浜港に入港する船舶で、(1)コロナが疑われた事例について(質問)[答弁]新型コロナウイルス感染症の疑いのある船員が乗船する船舶に対応した事例として、3月以降、5件の事例があります。いずれも、横浜検疫所による検疫の結果、感染した船員は確認されませんでした。
幸い今までは、感染が確認されなかったとのことですが、いつ、感染者が現れてもおかしくない状況は今後も続くと思います。先日のダイヤモンドプリンセスの事例を踏まえると、実際、対応にあたる際には、横浜港内の関係機関と連携して対応することが重要と考えます。
(2)横浜港内の連携について(質問)[答弁]以前から、検疫所、海上保安部等の関係行政機関、港運協会等の地元関係団体、市民病院等との間で、感染症に関する情報共有や、患者搬送等の実動訓練を行うなど、連携して対応できるような関係を構築してきました。また、7月には、港湾管理者の立場から、関係行政機関に働きかけ、感染が疑われる船舶が入港した場合の検疫の場所、手順、連絡体制等について、具体的な取り決めを行いました。
日頃から、横浜港内での連携強化を図っています。感染が疑われる船員が乗船した船舶に対して、実際に各機関が連携してどのように対応するのか。
(3)感染の疑いがある船舶が入港した際の手順について(質問)[答弁]感染の疑いのある船舶が入港した場合は、錨地検疫で対応することを原則とし、海上保安部が検疫所の対象船舶への往来等を支援します。PCR検査の結果等により着岸する場合は、本市と関東地方整備局が連携し、滞留期間、船種・船型、利用状況等を踏まえた岸壁の確保、地元関係者等との調整、物資の補給、排水・廃棄物の対応等を行います。
陽性が確認された場合には、必要に応じて着岸。(4)着岸にあたっての課題について(質問)[答弁]横浜港では、コンテナ船が日ごとに次々と着岸をしておりまして、自動車専用船も、月末を中心に多くの船が着岸しております。
そのため、検疫や感染者の搬送等のために着岸が長期間にわたると、船舶の着岸や荷役が滞り横浜港の物流機能に支障をきたすこととなります。さらに、物資の補給、排水・廃棄物の処理、周辺の観光施設への風評被害等も課題となります。
(5)課題への対応について(質問)[答弁]我が国を代表する国際貿易港であります横浜港として、感染疑いのある船舶が入港しても、物流機能を止めることなく、事業活動ができる環境を整えることが必要であります。そのため、着岸による検疫等を行うこととなった場合においても、国等と連携し、民間岸壁を含め、広域的な利用調整を行います。また、コンテナ船から客船まで着岸可能な検疫専用の岸壁の確保や整備につきましても、国等と検討してまいります。
この国の経済、物流を支える国際貿易港である横浜港としては、感染疑いのある船舶が入港する場合でも、適切に対応し、物流を滞らせることなく、影響を最小限に抑えることが使命であると考えます。引き続き、更なる安全、安心な港に向けて、新型コロナウイルス対策の取組を加速していただくことを要望しました。