昨年のラグビーワールドカップに続く、2020東京オリンピック・パラリンピックの開催にあたり、横浜においても野球・ソフトボール・サッカーの試合が合計37試合が開催されます。6月末から業務開始がされる新市庁舎においても、大型スクリーンで観戦が出来るように準備が進められています。
昨年のラグビーワールドカップの開催では、横浜国際総合競技場で開催予定の7試合について、開催前に日銀がまとめた横浜市への経済波及効果の試算では、市内で開催する7試合の観客数は延べ45万2620人で、観戦客が市内で支出する観光消費額や波及効果は98億円。パブリックビューイングや事前キャンプなどは試算の対象外。98億円のうち、国内客による効果は49億円、海外客は48億円で直接効果は68億円という事前の評価もありました。
今年も、横浜市においての経済効果はもちろんですが、ラグビー開催から連なる、スポーツや文化の持つ力による有形無形の様々なレガシーを残してもらいたいと思います。
そもそもオリンピックは、4年に一度開催される世界最高のスポーツの祭典ですが、「平和の祭典」であり、オリンピック憲章では「文化プログラム」の実施について定められています。現代のオリンピックは、フランスの教育者ピエール・ド・クーベルタン男爵によって1896年第1回大会がアテネで開催され、クーベルタンは古代ギリシア・ローマ文明にあこがれを持ち、古代オリンピックにならった競技祭を構想したとされます。クーベルタンは、人間における肉体と精神の調和を一つの理想として、スポーツで人間が理想に向けて努力する姿を「努力の祭祀」と呼んだそうです。
古代オリンピックはギリシア人によるギリシア人のためのオリンピックであったそうです。しかし、近代オリンピックは世界中にオリンピズムの理念を広めることを目指して行われています。その特徴としては、まず「平和の祭典」であることが挙げられ、クーベルタンは「スポーツを通じて平和な世界の実現に寄与する」ことをオリンピックの目的に掲げました。また、「勝敗だけではなく、ルールを遵守し正々堂々と全力を尽くす」という「フェアプレーの精神」がオリンピックでは重視されています。
また、「文化プログラム」を単なる文化イベントに終わらせることなく、文化芸術による日本の活性化という将来を見据えた、中長期的視点による戦略が必要であると文化芸術施策の強化の面も2020東京オリンピック・パラリンピックでは強調されています。
そして、パラリンピックは障害のある人々が参加する世界最高峰の大会も開催されます。障害の有無に関わらずに、世界中の人と人の心を結ぶスポーツや文化の力が、大いに発揮される事が期待をされます。