商店街における地域コミュニティへの期待
本年横浜経済活性化特別委員会では「地域経済活性化に向けた商店街振興についての提言」をまとめています。
高齢社会の進展などによる社会情勢の変化のもと、地域経済活性化に向けて商店街振興が重要です。商店街には、「日常の買い物の場」としての役割のほか、「まちの安全を守る」、「地域活動を支える」等、さまざまな役割が期待されていることを商店街・行政は共有する必要があります。
その上で、商店街は、地域内の多様な主体とつながりを生み出すことにより、地域コミュニティーを醸成するとともに、地域ニーズを積極的にくみ取り、イベントや高齢者などを対象とした福祉的な取り組みについて、他の主体と協力・連携して実施するなど、地域にとって必要な取り組みを実行に移すことが求められます。
また、このような取り組みを推し進めるなかで、商店街は行政と連携し、既存の商店街運営・商店経営の考え方にとらわれない人材育成・組織強化等についても、積極的に取り組むべきです。
横浜市では、「商店街活性化イベント助成事業」等、さまざまな商店街振興施策を実施しており、その周知にも取り組んでいますが、十分に施策が活用されていない商店街の振興のためには、それらの施策が積極的に活用されなければ何ら効果は得られません。
その上で、横浜市は、現在取り組んでいる商店街振興施策の情報提供はもちろんのこと、商店街が、みずから課題の解決や商店街振興に向けた取り組みを行うことを重視するべきです。そのためにも、横浜市は、地域特性を踏まえた上で、それぞれの商店街に見合った商店街振興施策を商店街とともに検討し、商店街振興施策の提供に取り組むべきです。
地域経済社会が疲弊する今日、商店街、とりわけ地域密着型の商店街としては、地域住民の憩い・交流・娯楽の場であり、商品売買の場としての存在を超えた社会的・文化的な中心、地域の雰囲気を醸成する空間といった、「地域コミュニティーの担い手」となることにより活性化を図ることが望まれます。