災害時の福祉的支援の充実

近年、日本における自然災害の発生頻度は増加の一途を辿っているように思えます。東日本大震災(2011年)からは、まもなく15年が経過、その後も熊本地震(2016年)、西日本豪雨(2018年)、台風19号(2019年)、能登半島地震(2024年)など、大規模な災害が相次いで発生し、多くの人々の生活に深刻な影響を及ぼしました。

一昨年の正月の能登半島地震では、横浜市の多くの職員の皆様も派遣されました。これらの災害では、被災者の生命や健康を守るための緊急的な救命活動だけでなく、高齢者や障害者等要配慮者に対する長期的な視点にたった、福祉支援の重要性が改めて認識されています。そこで、

「災害時の福祉的支援を充実」させるための災害対策基本法などの改正法が昨年成立しました。この改正では、能登半島地震の教訓を踏まえ、災害対策の強化を図るために「国による支援体制の強化」「福祉的支援等の充実」「広域避難の円滑化」「ボランティア団体との連携」「防災DX・備蓄の推進」「インフラ復旧・復興の迅速化」等が掲げられています。

中でも、公明党の主張を反映し、災害救助法で定める救助の種類や、災害対策基本法に「福祉サービスの提供」を明記したのが大きな特徴です。法的な裏付けができたことにより、避難所を中心に高齢者ら要配慮者の体調管理や相談支援に当たる福祉専門職の災害派遣福祉チーム(DWAT)の活動範囲が広がり、在宅や車中泊の避難者に対しても、ニーズに応じた支援を届けられるようになりました。

避難生活が長期化すると疲労やストレスのために、心身に不調を来して命を落とす「災害関連死」が心配されます。一昨年1月の能登半島地震では関連死が増え続け、地震の死者全体の約6割に上っています。法改正を機に一人一人に寄り添う支援体制を整え、尊い命を守ることにつなげなければなりません。

また改正法では、被災者支援に協力するNPOなどの事前登録制度が創設され、市町村が必要に応じて被災者の情報を提供できるようになりました。災害発生直後から円滑に支援活動を始められるようにすることが狙いです。過去の災害では、在宅で避難する高齢者や障がい者など、避難所にいない人への福祉的支援が遅れるケースが生じていました。このため公明党は、現場の声を基に要配慮者の個別避難計画の作成や、被災者が抱える個別の課題に合わせて伴走支援する「災害ケースマネジメント」の実施などを推進し、災害法制に福祉の視点を取り入れるよう、繰り返し訴えてきました。

重要になのは、福祉的支援を担う人材の育成・確保に加え、災害対応に当たるマンパワーの不足を補う防災技術の高度化でもあります。各地での備えが進むよう、国には力強い後押しを求めたいと思います。

 

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