横浜市会令和7年度予算について、本会議にて予算関連質疑に公明党横浜市会議員団を代表して中島議員が質疑に立ちました。以下は防災・減災対策についての質疑の要旨です。
個別避難計画の作成について伺います。能登半島地震において、高齢者や障害者など配慮が必要な方の安否確認や避難においては、大変なご苦労があったと聞いています。在宅で人工呼吸器を使用しているお子さんの親御さんは、発電機などを用意して備えているそうですが、在宅避難が困難な場合はどうしたらよいのかなど、本人・家族の不安は尽きません。今回の新たな地震防災戦略では、人工呼吸器等の医療的ケア児・者を対象として個別避難計画の作成に着手されるということですが、ひとつの大きな光明となる尊い取組として評価されるべきであると考えます。
【質問】医療的ケア児・者の個別避難計画を進める意義について、市長に伺う。
《市長答弁》まず、災害に伴う停電が直ちに命に関わるような電源が必要な医療機器を使用している医療的ケア児・者に対して優先的に計画を作成してまいります。
●個別避難計画の作成を通じて対象者把握を進め、実効性のある計画作成をお願いしまして、次の質問に移ります。
●マンション防災力向について伺います。本市のマンション等の共同住宅の戸数割合は、現在60%を超えており、その耐震化率は96%となっています。耐震性、耐火性の高いマンションでは、日頃からの備えやマンション居住者同士の助け合いにより、発災時にも普段に近い環境で生活することができる在宅避難を可能とします。本市では、防災対策を実施しているマンションを認定する「よこはま防災力向上マンション認定制度」を設けています。その中で地域との連携が図られているマンションに対しては更に「プラス認定」がなされ、そのようなマンションが増えることで、地域の助けあい・共助へと波及していくことが期待できます。
このようにマンションの防災力が向上することは、そのまま大都市横浜の防災力強化へつながってくるのだと考えています。そのことから、私もこれまでマンション防災について幾度となく質問をさせていただきました。私の地元である戸塚区でも、マンションが増えており、今後もマンション防災をさらに進めるべきだと考えます。
【質問】マンション防災の取組をさらに強化するべきだと考えますが、市長の見解を伺う。
《市長答弁》本市のような都市部については特におっしゃる通りだと思います。新たな戦略におきましてマンション防災の推進を集中取組期間における重点項目に位置付けました。防災力向上マンション認定制度のほか、管理組合への防災アドバイザー派遣研修や、市民防災センターでのマンション防災体験を通じて、防災力の向上を図ってまいります。マンションは戸数が多いので合意形成が困難になる場合がありますが、粘り強く行ってまいりたいと思います。
●マンション防災を推進する取組は、それぞれの区局が取組を進めています。マンション防災の取組をパッケージ化して、市民に分かりやすい情報提供をしていく必要があると考えます。
【質問】マンション防災対策の情報を集約し、市民へ提供していくべきだと考えますが、市長の見解を伺う。
《市長答弁》こちらもおっしゃる通りだと思います。これまでも啓発については行ってきましたが、今回の戦略におきまして「防災関連情報をワンストップで利用できるプラットフォーム」を新たに構築して、マンション防災力の向上につながる情報を一元化して提供を進めてまいりたいと思います。
●マンション防災に資する取組として、7年度から新たな補助メニューとして、再エネ電気の供給を条件とした高圧一括受電の設備等の補助を開始すると聞いています。太陽光設備や蓄電池を組み合わせることで、震災時の電源確保が可能になるため、脱炭素のみならず、マンション防災の一助になると思います。災害に強い都市ヨコハマに向けて、マンション防災を推進していただくよう、強く要望して次の質問に移ります。
●横浜型浸水シミュレーションについて質問します。わが党では、これまでも「安心・安全の街づくり」を掲げており、地震対策はもちろんのこと、浸水対策についても確実に取り組んでいく必要があると考えます。「令和7年度の市政運営の基本方針と予算案」では、「災害に強いまちづくり」として、風水害に対して全国初の「横浜型浸水シミュレーション」を活用し、データに基づく事前防災の浸水対策を新たに推進することが示されており大変期待しているところです。
【質問】横浜型浸水シミュレーションを活用した浸水対策の特徴について、市長に伺う。
《市長答弁》本市の浸水シミュレーションは公共下水道に加えて、それだけにとどまることなく、水路や道路側溝など44万以上もの排水施設をモデル化しています。公共下水道のモデル化というのは比較的やっていると思いますが、水路や道路側溝まで含めてというところは他都市に類を見ない特徴です。本市の場合、大きな都市のため、その数も多く、44万以上の排水施設にまでなりますが、そこをモデル化することで極めて高い浸水想定の解析を可能としています。先ほどの山下議員の質問にもつながりますが、このようなことが出来るというのが横浜市の力だと思います。遠藤局長をはじめ、こういった取組を戦略的に、かつ野心的に行っています。このような取組を進めることによってさすが横浜市と呼ばれるような取組みをどんどん進めていきたいと思います。
この精緻な浸水シミュレーションを活用して、データに基づき浸水リスクを評価する。浸水対策を進める。誰もが安全・安心に暮らせるまちづくりにつながっていく。そのようなまちづくりを行っていくことこそが、職員の矜持につながっていくと思います。 引き続き、このような野心的な取組を積極的に行っていきたいと思います。
●データを活用した浸水対策にしっかりと取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。