2023(令和5)年4月、新たにこども基本法が施行されました。この法では、日本国憲法や児童の権利に関する条約の精神にのっとり、全てのこどもが、将来に渡って幸福な生活を送ることができる社会「こどもまんなか社会」の実現を目指し、こども政策を総合的に推進することを目的に、こども施策の基本理念のほか、こども大綱の策定、こども等の意見の反映、市町村こども計画の策定などについて定められました。
また、横浜市では、2025(令和7)年4月に、横浜市こども・子育て基本条例が施行されます。条例では、こども・子育てについての基本理念として、「全てのおとなは、こども基本法の精神にのっとり、こどもがその個性と能力を十分に発揮でき、社会を構成する一員として、その年齢及び発達の程度に応じて意見が尊重される環境を整備することが、誰もが未来への希望が持てる活力ある社会を構築するための基盤であるという認識の下、相互に協力してこどもを育む社会の形成に取り組む」ことを掲げています。こども基本法に定められる市町村こども計画については、条例第8条において、「この条例を踏まえて策定する」こととしています。
横浜市では、「こども、みんなが主役!よこはまわくわくプラン」(第3期横浜市子ども・子育て支援事業計画/横浜市こども計画)の策定に向けて、令和6年10月に計画素案を公表し、パブリックコメントを実施。この計画は、横浜市のこども・子育て支援施策に関する基本理念や各施策の目標・方向性を定めます。また、子ども・子育て支援法に基づき、保育・教育及び地域子ども・子育て支援事業に関する各年度の「量の見込み」(ニーズ量)及び、量の見込みに対応する「確保方策」(確保量)を定めます。
横浜市会、今定例会に上程されている議案について過日、公明党横浜市会議員団を代表して、仁田昌寿議員が本会議質問に立ちました。以下は、横浜市「こども、みんなが主役!よこはまわくわくプランの策定」についての質疑内容となります。(要旨)
●始めに、市第115議案「こども、みんなが主役!よこはまわくわくプランの策定」について、伺います。わが党はこれまで、「こどもの幸せを一番に考える社会」を目指し、2006年に「少子社会トータルプラン」を策定し、さらに、ライフステージに応じた切れ目のない政策を、2023年に「子育て応援トータルプラン」として取りまとめ、近年では例えば、本市独自の出産費用助成など広く市民ニーズに応える取組の強化や、ヤングケアラーや医療的ケアが必要なこどもたちへの支援の充実などを推し進めてきました。
しかしながら、アフターコロナや止まらない物価高騰もあり、こどもや子育てを取り巻く環境は引き続き厳しく、急速なデジタル化なども相まってこどもや子育て世代のニーズや困りごとは、これまで以上に多様化していると感じます。今回の議案「こども、みんなが主役!よこはまわくわくプラン」は横浜市のこども・子育て支援施策の今後5か年の総合計画です。昨今の社会情勢の変化も踏まえたうえで、こども・子育て支援をさらに前進させていくために特に重要な計画として、わが党も大変注目しています。
【質問】本計画の特徴について、市長に伺います。
【市長答弁】共働き世帯の増加などの社会状況の変化やこども基本法の施行等を踏まえ、「子育て家庭が実感できるゆとりを生み出す」こと及び「全てのこどものウェルビーイングを支える」ことを重点テーマとして掲げています。子育て家庭の時間的・精神的・経済的な負担感を軽減するための取組やこどもの意見を尊重するための取組等について、広く計画の中に盛り込んでいます。
●国に目を転じてみれば、令和5年に、「こども基本法」が施行され、「全てのこども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる社会」、すなわち「こどもまんなか社会」を目指していくこととされました。連綿と続く日々の暮らしの中で、こどもたちは育ち、遊び、学び、成長していきます。こどもまんなか社会の実現には、こどもの育ちや子育て家庭の暮らしに、直接関わることのできる基礎自治体の役割が非常に大きいと感じています。横浜のこどもや子育て家庭のニーズを的確に捉え、実効性の高い取組を計画に位置づけ、着実に進めていくことが重要です。
【質問】こどもまんなか社会の実現に向けた、計画を通しての取組の方向性について、市長に伺います。
【市長答弁】各区に順次設置を進めているこども家庭センターを中心に学校を含めた多機関連携を強化し、地域全体で全てのこどもとその家庭を包括的に支えていきます。本計画では「こどもにとって」の視点を第一に掲げ、こどもを優しいまなざしで包み込み、温かく寄り添い、応援していく環境をつくることで、こどもが幸せを感じられる社会を目指します。
●こども基本法が施行され、2年が経とうとしています。国が掲げた「こどもまんなか」の理念が、自治体にも浸透し、根付き、花開くかどうかは、まさに、この「よこはまわくわくプラン」の計画期間として位置付けられる、次の5年間にかかっていると思います。この横浜市で、一人ひとりのこどもの最善の利益が真に実現されるよう、そして「こどもの幸せを一番に考える社会」が実現されるよう、計画期間を通じて、具体的な施策・取組を広げ、深めて、こども達にとって意義あるものとしていただくよう要望致しました。