昨日の本会議において、市長より令和7年度予算案、関連する諸議案の提案にあたり、市政運営の基本方針と概要説明がありました。
横浜市の令和7年度各会計予算案は、◎一般会計/1兆9,844億円 ◎特別会計/1兆3,649億円 ◎公営企業会計/6,387億円 ◎全会計総計では、3兆9,881億円 です。
一般会計の対前年度伸び率は、3.6%の増となります。 歳入の中心を占める市税収入は、6年度当初予算額に比べて629億円の増で、過去最大となる9,459億円としました。このうち、30億円を7年度中に生じる補正予算の財源として留保し、当初予算は9,429億円を計上しています。一般会計の市債については、6年度と比べ39億円の減となる1,027億円を活用します。
減債基金の臨時的活用については、2030年度までの脱却に向け、段階的に縮減していくこととしており、6年度と比べ20億円の減となる130億円を活用します。個人版ふるさと納税の寄附受入れ額については、新たな返礼品の開発や広報プロモーションの強化により、35億円としました。財源創出については、市民生活や市内経済への影響も考慮しながら、施策・事業の「選択と集中」による新陳代謝や財源確保を進めるなど、歳出・歳入の両面からしっかりと取り組みました。財源創出額は、1,240件で172億円です。
冒頭、横浜を選んでくださる企業も増え、この2年半の投下資本額は2,662億円となり、それ以前の4年間の実績を既に700億円上回っています。半導体やモビリティなど成長分野におけるグローバル企業の進出により、今後もさらなる投資と雇用の創出が見込まれます。昨年、4年ぶりの人口増加に転じました。平成17年(2005年)をピークに減少傾向が続き、その後一度も2年連続して増加をすることがなかった生産年齢人口は、初めて、令和5年から3年連続で前年を上回りました。特に、20代から40代の転入超過が続き、その数が昨年、過去20年で最大。
◎大規模災害から市民の皆様をお守りする。子育て世代をはじめ、あらゆる世代の皆様の心豊かな暮らしをお支えする。魅力と活力にあふれ、人にも環境にもやさしい、サステナブルで未来志向のまちをつくる。そして、データを十分に活用しながら施策効果の最大化と持続可能な市政運営を実現する。内外からさらに人を惹きつけ、横浜が将来にわたって発展するための予算案とした。とありました。
安心・安全な暮らしを実感できるまちとしては、◎いつ起こるともわからない大規模地震から市民の皆様の命を守るため、ソフト・ハードの両面から地震防災対策を大幅に強化します。「地震防災戦略」を刷新し、戦略に掲げた取組を一気に進めていく。「発災前からの備え」を強化する。
「安心して避難生活を送ることができる環境」をつくる/◎小・中学校体育館の空調設置計画を5年前倒しし、11年度までに、残る約8割の未設置校350校への設置を完了させます。小・中学校の校舎や体育館に残る約3,000基の和式トイレについては、計画を3年前倒しして、11年度までに洋式化を完了。また、公園トイレの洋式化も加速させ、10年度までに約450基の洋式化を完了させます。
そして、トイレ・キッチン・ベッドからなるTKBユニットを全国で初めて導入し、被災状況に応じて柔軟かつ機動的に対応することで避難者の生活を支援。避難所の防犯対策を強化するため、全ての地域防災拠点に簡易防犯カメラや防犯ブザーを配布。飲食料の備蓄も大幅に強化していきます。避難想定者の備蓄の確保量を、これまでの「1日あたり2食を1日分」から「1日あたり3食を3日分」まで増やし、同時に、民間事業者と連携し、市場に流通する飲食料や生活必需品を、災害時の「流通備蓄」として確保します。
また、栄養補助食や衛生用品、介護食としての流動食やきざみ食、プライバシー確保のためのパーティションなど、これまで備蓄していなかった新たな品目を配備。災害時に配慮が必要な方への支援として、妊産婦・乳児が避難しやすい母子専用の福祉避難所を新規に開設するほか、特別支援学校等への非常用ポータブル電源の整備を加速するなど、医療的ケアが必要な児童生徒の安全を確保します。また、社会福祉施設等において、災害時の電源対策を進めるため、電気自動車の導入を支援するほか、トイレ環境を確保するため、マンホールトイレの設置を支援します。
本市初の「広域防災拠点」を整備。大規模災害時に物資や応援部隊の受入れの要となり、市民の皆様にいち早く支援を届けるため、旧上瀬谷通信施設地区での拠点整備事業に着手。新たに、本市最大面積となる4,000㎡の備蓄庫を整備し、加えて、市外からの支援物資を一括して受け入れる5,000㎡の拠点の整備に向けて準備を進めます。市域の既存の取次拠点を経由せず、地域防災拠点に物資を届けるようにすることで、物資の到着にかかる時間を7時間以上短縮します。自衛隊や警察、消防、医療従事者などの応援部隊もこの拠点に集結させ、市内全域で迅速かつ効果的に救助・支援活動が行える体制を整えます。同時に、「広域防災拠点」の機能を最大限に発揮させるため、東名高速道路と接続する新たなインターチェンジの整備も進めます。
◎災害時の救命・救助活動を支え、災害発生後の速やかな復旧・復興につなげていくため、インフラの強靭化を図ります。緊急輸送路は災害時の避難・救助・物資運搬のための生命線です。輸送ネットワークを維持するため、緊急輸送路に隣接する沿道がけ対策や、電柱倒壊による被害を防ぐための無電柱化を進めます。発災時の安定的な水の確保は何より重要です。避難所や病院などの重要施設に接続する上下水道管の耐震化を進めるとともに、避難所となる地域防災拠点への耐震給水栓の設置を促進し、発災直後から給水ができるようにします。
◎気候変動の影響により全国で水害が激甚化・頻発化しており、横浜においても1時間あたり50mm以上の強い雨の発生回数は約40年前と比較して2倍に増加しています。市民の皆様の被害を最小限にとどめるため、公共下水道だけでなく、水路・道路側溝など44万以上の排水施設を精緻にモデル化した、全国初の「横浜型浸水シミュレーション」を活用し、浸水対策を推進します。浸水シミュレーションにより、浸水リスクが最も高い252地区を選定し、地区内の雨水管やその地区とつながる16幹線の優先整備に着手します。防災・減災対策の推進にあたっては、「自助・共助・公助」の観点を大切に、自治会町内会をはじめ地域の皆様の声を聴きながら、行政・市民・地域が一体となって進めていくとしています。(令和7年度の市政運営の基本方針と予算案について)