官民連携の仕組み(SIB)を活用した介護予防の取り組み

先日、健康づくり・スポーツ推進特別委員会の視察にて愛知県豊田市にお伺いしました。人口は約41万人で世界最大級の自動車メーカートヨタ自動車企業城下町です。製造品の出荷額は全国第1位で、15兆円を超え、これは横浜市の約4倍です。今回の視察は、介護予防の取り組みで「ずっと元気!プロジェクト」です。

豊田市は、新しい官民連携の仕組み(SIB:ソーシャル・インパクト・ボンド)を活用した介護予防の取り組みとして、令和3年7月から「ずっと元気!プロジェクト」を実施しています。

「人生100年時代」と言われる今、元気に暮らせる期間を延ばすことが大事です。そのためには、運動や食事管理だけでなく、社会や人とのつながりを持つことが重要な要素であることが学術機関の研究により分かってきています。 社会参加(趣味・スポーツの会への参加)は健康寿命の延伸に効果があり、 将来の認知症発症・要介護リスクを低減するとのことです。

「ずっと元気︕プロジェクト」では、5億円を投じて10億円の介護費削減を目指します。 ⺠間資⾦を元⼿に、創意⼯夫に満ちた予防措置を実施し、⾏政コストを低減。低減分を⾃治体・事業者・⺠間資⾦で分かち合いつつ、市⺠にも還元されていくというサイクルです。この事業は、株式会社ドリームインキュベータ(DI)が参画事業者選定・とりまとめを実施しています。

そもそも、ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは、行政が民間資金や民間事業者を活用して社会的課題を解決する事業スキームです。事業の成果に応じて行政が民間事業者に報酬を支払う仕組みで、成果連動型の官民連携事業の一種です。まず、行政と民間団体が成果指標をあらかじめ設定した上で契約を交わします。豊田市の事業は、全国初の大規模SIB事業で、事業期間は5年間(2021年7月〜2026年6月)。事業費は最大で5億円で、介護保険給付費10億円の削減を目指します。参加者は、5000人/年規模。5年間で、延べ25.000人の参加者獲得となります。

上記の様に、豊田市の取り組みは、介護予防の取り組みにおいて、億単位の事業費でSIBの活用は全国初だそうです。国内のSIB事業において、5億円の事業費も全国最大規模。全額、三菱UFJ銀行始め数社の企業からの寄付金で実施。成果報酬型の制度設計で、事業成果に応じたKPIが設定されています。介護給付費削減効果として、2年間で推計約3.7億円の効果があったとされます。

体力測定から趣味・交流迄、様々なプログラムが選択可能で、現在100近くのプロググラムを展開。ここには、運動だけに留まらない、意外性のあるプログラムも展開されています。(エンタメ・就労・趣味等)。従来の介護予防のイメージとは異なるプログラムが提供されています。また、事業者も新規事業展開に取り組む機会となっているとの事でした。

目指す姿として掲げる、目指す姿として、年齢や身体の状態や年齢に環境などにかかわりを持ちながら、誰もが安して、健やかに自分らしく暮らしている。「幸福寿命」を全うできるまち。まさに、大規模なSIBを活用した取り組みの成功事例が、横浜で多く展開をされる事が期待をされます。

 

 

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