密集市街地における地震火災対策について

大規模な地震時は、火災が複数の場所で同時に発生するおそれがあります。火災が同時多発的に発生すると、消防隊による消火活動が対応しきれない状態となり、延焼し被害が大きくなります。つまり、地震火災とは、地震により建物から「出火」し、それが「延焼」することです。

建物が密集した地域、「密集市街地」では、老朽化した建物が密集しており、道路が狭く公園等の空地が少ないことから、火災が発生すると延焼しやすく、避難しにくい市街地のことを言います。

1923(大正12)年、南関東を中心に起こった関東大震災では、地震が昼食時に起こったこともあり、かまどや七輪を火元とする火災が同時多発的に発生し、被害を大きくしました。当時の消火装備は最新のものでしたが、消火装備の供給源である水道が断水したことで、最新設備も役に立たず、強風によって火災はたちまち延焼し、消防の対応力を超えました。横浜市においては、市内289か所から発生した火災により、わずか1日で横浜市の中心部を
焼き尽くしました。

1995(平成7)年、兵庫県南部周辺を中心に起こった阪神・淡路大震災では、地震発生直後に少なくとも神戸市内50か所以上で火災が同時多発的に発生し、地震発生後からわずか1日で出火件数は109件に上りました。特に密集市街地での建物倒壊や火災による被害が顕著であったことから、延焼遮断帯の整備など都市大火を防ぐというこれまでの防災対策に加え、密集市街地における地区レベルでの避難路の確保などの対策が本格化するきっかけと
なりました。

2012(平成24)年10月に公表した「横浜市地震被害想定」では、2011(平成23)年3月に発生した東日本大震災の教訓を踏まえ、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波による被害を想定しました。この中で、横浜市内で大規模な地震が発生した場合、最大で77,700棟(約10棟に1棟の割合)の建物が火災により焼失すると想定されています。

横浜市には、老朽化した建物が密集し防災上課題のある市街地が存在しています。このような地域では、地震による火災の被害が大きくなることが想定されています。そのため、地域特性に対応した災害対策の強化として、老朽化した建物の建替えや、狭あい道路の拡幅整備などを進めることにより、災害に強い市街地の形成を図るとともに、地域コミュニティの醸成による防災力の強化・充実を進めています。

対象地域において建築物の不燃化や延焼遮断帯の形成などの防災まちづくり施策と、感震ブレーカーや初期消火器具の設置促進などの地域防災力・消防力向上施策との両輪で地震火災対策に取り組んできました。また、地震火災対策方針に基づき、2014(平成26)年12月には「横浜市不燃化推進地域における建築物の不燃化の推進に関する条例(以下、「不燃化推進条例」という。)」を制定し、地震火災が発生した場合の延焼により建築物に著しい被害が生ずるおそれのある地域で、特に建築物の不燃化を推進する必要があるものを「不燃化推進地域」として指定しました。
 

この地域では、2015(平成27)年7月1日以降に建物を建てる際、原則として「準耐火建築物」以上とすることが義務付けられ、防火規制の導入と補助制度との連動により、建築物の不燃化を促進してきました。これらの取組を、2014(平成26)年3月に「横浜市地震防災戦略における地震火災対策方針」として策定し、令和4年度までを計画期間として重点的に取組が進められました。これにより、一部の地域では、地震火災による被害想定の軽減は見られましたが、今後も、防災・減災の取組をより効果的に進める必要があることから、令和5年度から令和14年度までを計画期間とする新たな「横浜市密集市街地における地震火災対策計画」が策定されています。内容は横浜市ホームページからご覧になる事ができます。(参:横浜市密集市街地における地震火災対策計画)

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