国内外の未来モビリティが集う街の形成

横浜市は、国内外からモビリティ・スタートアップが集まる街を目指し、「Mobility Innovation Hub YOKOHAMA」というコンセプトを掲げ、また、自動車関連企業の集積という強みを生かし、次世代モビリティの技術開発や社会実装の支援を進めています。

昨年、横浜市長がドイツ・ベルリンの「The Drivery」を視察し、ティモン・ルップCEOと意見交換を行うなど、交流・連携を進めてきました。ドイツのモビリティ分野に特化したイノベーション支援組織「The Drivery」は、ドイツ内外からスタートアップ、技術者、投資家等を集積し、モビリティ分野の新たなビジネスの創出を支援しています。そしてまた、「The Drivery」が横浜において日本での本格的なビジネス活動を開始することを契機として、モビリティ・スタートアップの支援を両者が連携して推進することを内容とするMOU(基本合意書)を横浜市と締結をしています。

横浜・ベルリン双方のモビリティ・イノベーションの促進に向け、以下の事項で連携・協力。(横浜市記者発表)

モビリティ・スタートアップと大手企業等との連携・交流の促進
・双方のネットワークを通じたモビリティ・スタートアップ育成プログラムへの参加奨励
・モビリティ・スタートアップの海外進出支援

The Driveryは、ベルリン南部、テンペルホーフ=シェーネベルク地区のランドマークとして知られるウルシュタインハウス。プロトタイプ製造が可能なものづくり設備、小規模な走行実験が可能な空間などモビリティ分野に特化したイノベーション拠点を運営。この建物は、1920年代後半に建設され、12,000 ㎡の広大な拠点で、かつては出版社の本社社屋兼印刷工場として使用された巨大な建物。ヨーロッパ最大のモビリティ・イノベーション・コミュニティ&マーケットプレイスとして「The Drivery」が存在します。2019年5月のオープン以降、モビリティ分野にフォーカスしたスタートアップをはじめ、大手企業やVCなど20社以上も参加し、現在の会員数は700以上。定期的に開催されるコミュニティ・イベントや提携企業とのアクセラレーション・プログラムなどを通じて、独自のイノベーション・エコシステムを構築しています。フレックス・デスクやチーム・スタジオといった従来型のコワーキング・スペースはもちろん、本格的なオーディオ機材を備えた「メディア・スタジオ」、ハイエンドな工具と設備を使用できる「メーカー・ガレージ・スタジオ」、オフィス内に設置されたAI/ビッグデータ解析向けのスーパーコンピューター“NVIDIA DGX Station”にアクセス可能な「ディープラーニング・デスク」など、他に類を見ないインフラを備えているとの事。The Driveryは、モビリティ特化型エコシステム・マーケットプレイスを運営。会員数が700名を超え、シリコンバレーを含めドイツ内外から130以上のスタートアップやCVC、ティア1企業などが集積して、卒業生にはユニコーン「ティア・モビリティ」があるとのこと。そして、ドイツ国内のみならず、世界各国から約 140 社のスタートアップや大企業、技術者、投資家等が集まり、交流・連携からの新ビジネス創出を支援し、創業から2年間で資金調達総額 6,500 億円を超える実績を生み出しています。

ユニコーン企業とは、評価額が10億ドル以上、設立10年以内の未上場ベンチャー企業です。新興企業で上場していないにもかかわらず、企業価値の高い企業を指します。世界に1,000社以上存在します。たとえば、決済サービスを提供するアメリカの「Stripe」や、TikTokを運営する中国の「ByteDance」は、世界を代表するユニコーン企業のひとつ。しかし、日本のユニコーン企業は依然として数10社ほど。代表的な企業には、ディープランニングの活用などで世界の課題解決を目指す「Preferred Networks」、スマートフォン向けのニュースアプリを提供する「SmartNews」などがあげられます。

日本は起業しやすい環境が整っておらず、そもそも起業家が少ないことも、ユニコーン企業が増えにくい原因のひとつです。経済産業省委託調査として、みずほ情報総研株式会社が2020年に発表した「起業家精神に関する調査報告書」によると、アメリカの「事業機会認識指数」が67.2%であるのに対し、日本は10.6%にとどまります。アメリカ以外の主要国と比べても低い水準です。( Freee内山貴博氏)

横浜市では、先駆的なソリューションが街と一体となってトライアルできる環境を構築することで、国内外の未来モビリティが集う街“Mobility Innovation Hub YOKOHAMA”の形成を共に目指しています。

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