「障害者の計画相談支援について」第2回定例会公明党横浜市会議員団一般質問。(久保議員:質問要旨及び答弁)
計画相談支援は、障害のある方が、地域で生活するときに必要なサービスを組み立てる入口を担っています。つまりは、各人へのオーダーメイドの支援の入口です。私は、この福祉サービスの総合調整を行う、「計画相談支援」の役割は障害のある方の生活において、非常に重要であると考え、以前から本市の実施率が政令市で最下位水準であると指摘し、その進捗を注視してきました。この制度が導入されて8年になり、厚労省調査によると全国平均では8割以上の実施率となっていますが、残念ながら本市の実施率は、5割強に留まっています。
(1)計画相談支援の実施率が上がらないことに対して、本市としてどのような認識なのか、市長に伺う。
【市長答弁】計画相談支援は、報酬単価や人材不足といった課題もあり、特に都市部では実施率が低い傾向にあります。本市では、社会福祉の専門職が丁寧な窓口対応に努めつつ、計画相談支援の導入後は、地域の福祉事業者に実施を働きかけてきました。障害のある方の相談支援がより充実したものとなるよう、さらに実施率を上げていく必要があると考えています。
厚生労働省では、相談支援事業の実施状況の調査を行っており、それが国のウェブページに掲載されています。それを見ると、セルフプラン率(つまり計画相談支援に結びついていない人の率)が、多い都道府県は、北海道、宮城県、神奈川県、京都府、大阪府、岡山県、広島県と、いずれも政令指定都市を含む道府県となっています。計画相談支援が進まないのは、障害のある方の人数に応じた相談支援事業所が確保しづらいという、大都市に共通した課題といえるかもしれません。そこで、
(2)計画相談の推進のため、同様の課題を抱えている政令指定都市等と協働して、国により強く課題を訴えていくべきと考えますが、市長の見解を伺う。
【市長答弁】障害福祉施策については、東京都と政令市の21都市で構成する会議などを通じて、国への要望行動を行っています。計画相談支援に関しては、事業所不足や人材確保の困難さなど、大都市共通の課題があることから、国に対して令和3年度報酬改定の効果や影響を分析した上で事業所運営のモデルを示すよう、他都市と協働して要望していきます。
障害者総合支援法では、3年に一度、社会状況を踏まえた障害福祉サービス等の報酬改定が行われます。直近の令和3年度には、計画相談支援についても、質の高い相談支援を提供できるよう改定が図られました。 しかし、市内の事業所からは、「重要な役割であるにも関わらず、相変わらず報酬単価が低い、人材がいない」といった声を聞きます。報酬単価が低いことも、実施率が上がらない理由の一つだと考えます。次回の報酬改定は、令和6年度であり、それを待っていて、すべての障害のある方が望む地域生活ができるでしょうか。計画相談支援の重要性を鑑みれば、本市独自の取組にも期待が寄せられます。
(3)計画相談支援の実施率向上のためには、事業所に対する市の積極的な支援が必要と考えますが、市長の見解を伺う。
【市長答弁】これまで、集団指導や説明会等を通じ、他都市の事業所運営の好事例などを紹介する取組を進めてきました。その中で、事業所からは人員配置や持続的な運営など、経営に関する問い合わせや意見が多く寄せられています。 そのため、収益性に関わるデータなどにも着目して、事業所が抱える課題を分析し実施率向上につながる支援策を検討していきます。