横浜市寿地町 健康福交流センターを視察

公明党の医師でもある沼崎満子衆議院議員と横浜市会議員団にて、横浜市の寿町にある“健康交流センター、診療所”、生活自立支援施設“はまかぜ”を視察しました。そして健康交流センター内にある診療所の金子医師よりお話をお聴きし意見交換を行いました。
金子医師は、横浜市立大学大学院データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻の准教授でもあります。そして研究グループとして、横浜市寿町健康福祉交流センター診療所と連携して、生活が困窮されている方が多く住む地域の医療者確保、およびその地域での初期研修医や有志の医学生の実習受け入れを行う取り組みを実施しています。その取り組みは、家庭医療・総合診療の国際学術誌にも紹介されています。
この寿町は、200m×300mの比較的狭い地域に簡易宿泊所が110軒以上軒を連ね、約5300人が暮らしをしています。戦前から戦後、バブル期の横浜の発展の背後にあった地域の存在です。漫画あしたのジョーの舞台としても知られている東京の山谷、大阪の釜ヶ崎(西成)と並ぶ日雇い労働者の街として知られていました。
 
日雇い労働者等の住民の方の社会活動の街でしたが、今では高齢化し、加えて他の地域で経済・社会的基盤を失った方が、寿に辿り着き、住民の高齢化は50%を超え、95%近くが生活保護受給者の方です。この寿地区では、高齢化が進んでいるために、ほとんどの患者さんは複数の慢性疾患を持っていますが、医療機関の利用に慣れていない方、これまで医療機関でつらい思いをしたためになるべく受診したくない方がたくさんいると言われます。
 
寿町健康福祉交流センタ診療所の、金子惇医師は、かかりやすさ、診療の幅広さ、他の医療機関と連携したケアなど「プライマリー・ケア」の大事な特徴が求められるとしています。そして、「プライマリー・ケア」がとても求めれている場所です。
プライマリ・ケア(Primary Care)とは、患者が抱える健康上の問題に対し、まず最初に、かつ総合的に対応する保健医療サービスのことです。特定の疾患のみを診る専門医療とは対照的に、風邪から慢性疾患の管理、予防接種、健康相談まで幅広く対応し、必要に応じて適切な専門医へとつなぐ役割(ゲートキーパー)の役割も担います。そして寿診療所では、“プライマリー・ケアを学ぶ”医学生の研修も受け入れています。
 
「地域で起きた健康問題全般の相談にのる」「患者さんが持ち込んだ健康問題を見た時に、この地域他にも同じような問題を持っている人がいるのでは?という視点を持つ」という二つが、プライマリー・ケアを担当する医師にとっての基本だと思っているとされています。「生活困窮により食事がとれない」人が受診された時に「何ができるのか」、あるいは「何ができないのか」。その課題が患者さん生活と繋がっていいる事。生活がどう形成されているか、患者さんの人生を知る必要がある。そのために患者さんに興味を持つ必要があること。そのようなあたり前の事を考えるきっかけがこの街にはたくさんありますと。
労働者の街から、福祉の街へ。この街で、何を感じ、何を学ぶかは人それぞれですが、医療者としてできる事を改めて考えさせられ、これ迄と異なるモノの見方をみつけるきっかけになるはずです。医療研修用のパンフに綴れている言葉です。まさに、今回の視察では、多くの事を学ばさせて頂きました。現場の声を政策に繋げる事。やはり現場第一です。
 
 
 
 
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