令和元年度決算第一特別委員会・子ども青少年局審査
ひとり親家庭等の児童が育成される家庭の生活の安定と、自立の促進を目的に支給される児童扶養手当については、経済的に厳しい状況に置かれる、ひとり親家庭の方などの生活の支えとしての役割が期待されています。
(質問)本市のひとり親世帯数と児童扶養手当受給世帯数について。[答弁]ひとり親世帯として正確な統計データは実はございませんが、平成27年の国勢調査のデータから、ひとり親世帯数を推計すると、約2万6,000世帯でございました。また、本市の児童扶養手当を受給されている世帯数は、令和元年度末時点で、約1万8,000世帯です。
ひとり親世帯の中でも、児童扶養手当を受給していない世帯も相当数あるということになりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、児童扶養手当の所得水準に収入が低下したひとり親家庭は増えていると思います。しかし、現在、令和2年度の現況確認手続きも進んでいるところですが、前年の所得を元に手当の支給が決まるため、コロナ禍で生じる急な家計の悪化にすぐには対応できず、ひとり親家庭の方からは「今が苦しいのに」と制度設計への不満の声が寄せられています。対象となるひとり親の苦しい暮らしぶりなどを考えると、できるだけ直近の状況を反映して支援することが望まれるのではないかと、党としても課題認識をしています。
(質問)家計急変者など、今困難を抱えるひとり親世帯に対して、どのように対応しているのか。[答弁]ひとり親世帯の方向けということになりますが、今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受けたひとり親世帯の生活を支援するため、まず横浜市独自の取組として、児童扶養手当受給世帯を対象に、1世帯あたり2万円の臨時特別給付金を6月末に支給しました。また児童扶養手当を受給していない世帯に対してですが、児童扶養手当の受給水準まで収入が減少した場合には、国の制度に基づきまして、8月から支給している ひとり親世帯臨時特別給付金、国の給付金のほうの対象としています。
児童扶養手当などは国の制度に基づき支給されるものであり、この新型コロナウィルス感染症の影響で今まさに困窮している世帯への支援策としては、なかなか機能しづらい側面があります。新型コロナウィルス感染症が流行する以前から、横浜市では、ひとり親世帯の方の就労支援として、相談事業や資格取得のための給付金給付事業などを行い、自立に向けた支援に取り組んできました。さらに現在は、新型コロナウィルス感染症の影響でお困りの世帯の声を聴き、食支援の取組である「ぱくサポ」を始めるなど、実情に即した支援を進めてきました。これら支援の網からこぼれ落ちてしまう世帯がないよう、様々な取組があることを必要とする方へきちんとお知らせして、そして実際に利用していただくことが大切だと思います。
(質問)ひとり親世帯へ支援をしっかり届けるためにどのように取り組みを進めるか。[答弁]ひとり親世帯の方に私共の支援メニューをきちっと届けなければいくら作っても意味がございませんので、これをきちっとやることが重要だと考えております。例えば、ひとり親家庭への支援策をまとめた「ひとり親家庭のしおり」というものを作っておりまして、こちらを就労や子どもの進学など、ライフステージごとに必要な情報を探しやすくなるよう内容もリニューアルしました。また、就労支援などを行っている「ひとり親サポートよこはま」では、本年8月から新たにLINEを活用した周知を始めました。今後も情報の内容を見やすく、わかりやすく整えるのは当然でございますが、SNSの活用など、情報を届ける手段についても工夫をしてまいります。
支援の取組が充実しても、その周知が行き届かなければ支援につながりません。この新型コロナウィルス感染症は、大規模な災害が発生した時と同じか、それ以上に市民生活に大きな影響を与えています。今後は、誰も経験したことがない新たな生活様式に取り組まなければなりません。我々議会としても、国の仕組みで変えるべきところはしっかりと国へ提言し、議会と行政双方が役割を果たしながらこの難局を乗り越えていかなければならないと考えています。
ひとり親世帯、そしてその世帯の子ども達が安心して生活できる環境を整えるために、今後も実情に即した支援を行き届かせるよう、取組みを進めていただくことを要望しました。