発達障害への対応について

第4回横浜市会定例会公明党一般質問における 「発達障害への対応」について質問。質問及び市長及び教育長の答弁は、以下の通りです。

昨今、発達障害についての社会的な認知が進んでおり、未就学の子どもに対する早期療育だけではなく、小中学校入学後においても発達障害などにより、特別な支援が必要な児童生徒が増えています。発達障害は、「病気・障害」というよりは、その子の「個性・特徴」と言う方が正しく、関わる大人や周囲の理解と、適切な配慮があれば、何の問題もなく社会生活を送れます。

また療育支援を早期に行えば行うほど、その後の集団生活や社会参加がしやすくなると言われています。横浜市では、区役所福祉保健センターや地域療育センターなどで支援に取り組んでいますが、子どもへの支援を早期に行うためには、発達障害が疑われる子どもの特性を幼児期のうちから保護者に正しく理解して頂くことが大切です。

Q(1)保護者の障害理解を、促進するための取組状況について、伺います。

A.乳幼児健康診査で発達障害が疑われる場合、心理職による相談や、医師等による療育相談において、経過を見ながらお子さまの特性を知っていただけるよう、助言などを行い、不安解消に繋げております。このほか、子どもの発達や特性を学ぶ保護者向けの教室なども開催しております。

他都市では、子どもの視線の動きから、社会性の発達の傾向を調べることができる装置「かおテレビ」を導入し、保護者の気付きを促進する取組を行っているところもあります。こうした他都市の事例なども参考にして、効果的な仕組みを、ぜひ検討して頂きたいと思います。また、文部科学省の調査では、通常学級に在籍する児童・生徒のうち、実に6.5%が発達障害の疑いがあり、特別な教育的配慮が必要とされています。私の周りでも、発達障害の特性により、いじめや不登校に発展するなどの2次障害になった例も聞いています。

Q(2)発達障害がある児童生徒に対する、学校での支援について、教育長に伺います。

A.児童生徒一人ひとりの障害特性に応じて、個別支援学級や通級指導教室で、コミュニケーションや社会性に関する指導を行っています。また、一般学級では、専門家の意見を受けて、配慮が必要な児童生徒も共に解る授業を行うことや、担任に加えてもう一人、支援する者を配置して個々に応じた指導・支援を行いながら、教室で学ぶ時間を確保しています。

厚生労働省の調査では、発達障害と、子どもの不登校、いじめ被害、ひきこもりに相当な関連があるという報告もあり、発達障害がある子ども達に、学校で、更に適切な支援が必要であるという事を示唆しています。

教職員の多忙化が課題となっているところですが、児童生徒一人ひとりの障害特性に応じて、適切な対応を行うための、スキルの向上が求められます。

Q(3)教職員の障害に関する知識やスキルを向上させる方策について、教育長に伺います。

A.学校全体で、障害理解の向上に向けて、自閉症教育など特別支援教育に関する研修を実施しています。また、特別支援学校等の専門性を有する教員が小中学校の教員への指導・支援を行っています。更に、今年度から文部科学省の委託事業で、通級指導教室を活用し、発達障害のある子ども達ひとりの才能を伸ばすための、教員の指導力向上の研究を行っています。その成果を、教職員全体の指導力の向上に繋げていきたいと考えています。

発達障害のある子ども達が将来自立し、社会生活を送っていくためには、幼児期からの支援や早期療育が大切ですが、保護者の理解をはじめ、学校の先生など、周囲の人達がその子の特性を正しく理解し、支援を行っていくことが重要です。本市でも、様々な施策や事業展開を行っていることは承知していますが、それぞれの所管で縦割りになってはいけないと考えます。

(4)発達障害への対応について、包括的な支援体制の構築が必要と考えますが、市長のご見解を伺う。

A.発達障害のある方の支援では、できる限り早期の支援に始まり、その後のライフステージに応じた一貫した支援体制が重要だと考えています。そのため、発達障害検討委員会を設置し、未就学期から学齢期、成人期への接続的な支援を検討しております。こうした議論を踏まえ、医療・保健・福祉・教育などが連携した包括的な支援体制を推進してまいります。

 

 

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