防災先進県 静岡(ふじのくに)

防災先進県 静岡(ふじのくに)

浜松市の危機管理課での「地震・津波対策アクションプログラム」及び静岡県地震防災センターを訪問し防災減災への取り組みを学んできました。

防災先進県とも言われる静岡県では、昭和51年の東海地震説以降、東海地震に備えるため、40年にわたり、ハード及びソフト両面において様々な防災対策の実施及び観測体制の強化を行っています。そして平成25年度から34年度の10年間で、想定される犠牲者を8割減少させるという目標を掲げた「静岡県地震・津波対策アクションプログラム2013」に基づき、広範な地震・津波対策に市町村と一体となって取り組んでいます。

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そして、人口約80万人の浜松市は、南海トラフ巨大地震の被害想定では、震度6~7の領域が約6割。建物被害は約8割が地震動、全建物の約5割の約13.4万棟が全壊・焼失。地震動による死者数は約6.530人と想定。

そこで、東日本大震災における甚大な津波は被害を機に、市独自の被害想定区域を定めて、津波避難ビルの指定、津波避難マウンド、津波避難タワーなどの整備を進めるとともに、レベル2津波に対して減災対応する浜松市沿岸域防潮堤の整備を県と連携して推進。「命を守る」「生活を守る」「迅速な復旧、復興」を基本目標に「浜松市地震・津波対策アクションプログラム2013」が策定されています。

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静岡県防災センターは、地震防災に関する知識と対策についての啓発、自主防災活動の活性化支援、県市町の防災関係機関等の職員に対する研修、地震対策資料の収集と県民への情報発信及び災害時には、県の災害対策本部の後方支援基地として宿泊施設にもなる施設として平成元年に開館。平成27年度の利用者は46.583人です。

様々な取り組みをしている中で、興味を持たさせていただいたのが、地震防災センター人材育成機能の充実強化です。

平成22年度からは防災に関する知事認証制度を設けています。私も防災士の資格を持っていますが、静岡県では、独自に一定の講座の受講者に認証を与え、受講生の励みとし、地域防災の新たな担い手の育成に取り組んでいます。認証名は「ふじのくに防災士」「ふじのくに防災マイスター」「ふじのくに地域防災指導員」「ふじのくに災害ボランティアコーディネーター」「ふじのくにジュニア防災士」「ふじのくに防災フェロー」等で、いずれも知事からの認証になります。

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静岡県では、昭和19年に発生した東南海地震の日、12月7日を「地域防災の日」と定めて地域防災訓練を行っています。県全体で70万の人が参加しているとの事。そして教育委員会との連携で小中高校生の児童・生徒も50%参加しているとのことでした。参加した中高の生徒には、適した役割を担ってもらっていることが意識向上の一つともお話しされていました。

子どもの力は、大きく子供が参加すれば家族の参加にも繋がり、例えば耐震や家具の転倒防止も「我が家は、大丈夫?」と聞かれれば、親の心を動かし、行動につながる事もあります。

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そして、防災拠点における訓練も大切ですが、「避難所に行かなくて済む人を増やす取り組み」の重要性も改めて認識しました。住宅の耐震や家具などの転倒防止、家庭内の備蓄、地震が起きても「わが家で暮らす」方法として家庭内DIG(Disaster Imagination Game)、家族で大きな我が家の地図を囲みながら、家族で災害時の対応策などを考えることも推奨しています。

国で推進する国土強靭化計画がありますが、まさに自分の命は自分や、地域(近助)で守る、一人一人の防災意識を高める国民強靭化の視点を盛り込むことが重要とは群馬大学大学院の片田教授の言葉です。まさに命を守る意識の県民強靭化、市民強靭化の視点が大切です。

 

 

 

 

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